短編
※…背後注意
◎…その他

炬燵という名の




朝が来て、また1日が始まる。

僕の目の前には執事のセバ…


「…何だ、これ…!?」



セバスチャンの姿が見当たらない。
そのかわりに、四角い箱の様な物があった。

ここ英国で、こんなもの見たことが無い。



「おはようございます、坊ちゃん。」


箱の後ろからセバスチャンが顔を出した。



「この得体の知れない物体は何だ?何故僕の部屋にある?」

「使用人達が坊ちゃんにと。」

「…面倒なことを」

「ですが坊ちゃん、使用人達に提案したのは田中さんです」

「…田中?」


田中が提案なんて…珍しいこともあるもんだ。



「…で、これは何なんだ?」

「“炬燵”と呼ばれる体を温める機械だそうです。」

「kotatsu…体が温まるのか?」



品のない名前だな。もっといい呼び名をつければいいものを…




「さっさと下げさせろ。邪魔なだけだ。」
「…そうですか、坊ちゃんは炬燵なんかより、いつものように私に温められたほうが…」

「ッ!?何をふざけたことを言っている!誤解を招くようなことを言うんじゃ…」



扉の隙間から目が三つ…
縦に綺麗に並んでいる。




「…何をそこで見ている?今の発言に真実は無いっ!!あっちょっ待てっ!!」

「はぁ…使用人達相手に慌てるなんて、情けないですね坊ちゃん」

「お…お前のせいだ!!!」

「顔を真っ赤にさせて…可愛いですね、坊ちゃん」



反論できなかった。








「…これは困ったことになったな」

「ですだね…」

「坊ちゃんに彼氏がいた〜」





使用人に
完璧に誤解されたシエルだった。



「誤解…では無いかもしれませんよ、お嬢様…クスッ」



=END=
2010.11.29

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