短編
※…背後注意
◎…その他

始まり、そして終わり


「坊ちゃん、今年ももうじき終わりますね?」

「う…ッぁ…あ…」

「…なんですか?その返事は?答えになってないですよ?」

「…うッ、五月蝿い!!こんなふうにさせているのは誰、あ゛ッ…」





セバスチャンの指がするするとシエルの下股にいく。そこはもう、熱い。



「年が明けるというのに、坊ちゃんは何をしてるんですかね?」

「お前が!お前がシているんだろう!!!」




いきなり服を剥がしてきたのは、セバスチャンの方だ。




「…ですが坊ちゃん、キスしてきたのは、坊ちゃんの方ですよ?」

「なっ…」



シエルの顔がみるみるうちに赤くなっていく。どうやら図星だったようだ。



「…そろそろいいですか?私の方も焦らされるとキツイので。」

「五月蝿い!簡単にやらせるものか!お前なんか、そこで焦らされて嘆いていればいいんだ!」



仕返しに、シエルはセバスチャンに焦らさせようと甘い行為を拒み、素早く逃げた。







「ほう…なかなかやりますね、坊ちゃん?捕まえたらたっぷりとおしおきしなくてはならないですよ…?」




逆効果。
シエルが言ってから気づいた。
あぁ、やってしまったと後悔しているうちに、セバスチャンが追ってきた。
とっさに掴んだバスローブ一枚で屋敷内を走り回る当主。こんなの聞いたことがない、いや当然である。
使用人達も休暇を与え、屋敷には居ないのでやりたい放題だった。


「坊ちゃんにしてはお早いですね?」

「…はぁはぁ、うっ五月蝿い!はぁ、何で追いかけてっはぁ、くるんだ!!」

「いいところで坊ちゃんが逃げるからではありませんか?」







ばたーん






…主、執事に敗れたり。







「いーッ!痛い!!…セバッ無理…」

「逃げた罰ですよ?一晩中…」

「あっ…や、そこ駄目だ…、ぅッ」



こうして坊ちゃんは、セバスチャンに一晩中おしおきを受けるのでした。





=END=
2010.12.30





「坊ちゃん、あけましておめでとうございます!本日は夜に晩餐会を…坊ちゃん?」

「…お前ーッ、殺す!!晩餐なんか出られるか!!痛くて動けな…」

「マッサージ…してさしあげましょうか…?」



セバスチャンがニヤリと笑う。


「さっ触るなッ!!!」



シエルの顔は真っ赤になっていた。



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