短編
※…背後注意
◎…その他

読書は睡眠前に



もう外は真っ暗。
そして静まり返る屋敷。

セバスチャンはとっくの昔に僕を寝間着に着替えさせ、寝かせた…と思っているだろう。
今日はなんとなく、夜更かしがしたくなった。手元にあった“ポー”の本を手にとり、ずっと読み続けていた。



「…最後までもうちょっと」

「何が“もうちょっと”なんですかね…?」



嫌な予感がした。
僕が気づいた時にはもう隣にいて。




「おいっ!!!…本を返せ。」



簡単に本を取り上げられてしまった。



「駄目です。おやすみ前に“ポー”など読まれていたら、いつも翌朝私に拳銃を向けてくるじゃないですか…?」

「誰だって夢はみるだろう。しかたがな…」
「誰でも…というのは嘘ですね。すくなくくとも私は夢などみませんから。」

「お前のことなんか言っていない!」

「…ですが坊ちゃん、おやすみ前に読むのが原因なのではということを考えないのですか?



セバスチャンが近づいてくる。



「そんなことある訳な…」

「ましてやもうおやすみの時間をとっくに過ぎておりますよ…?」



セバスチャンが僕を押し倒した。



「お…もいっ!!!早くどけっ!!僕はもう寝…」
「逃げられるとでもお思いですか?坊ちゃん?」




がっしりと捕まえられた腕は、どけようとしても僕の力では全くかなわない。
僕が動けないのをいいことに、セバスチャンが寝間着をはがしていく。




「ふざけるな!!…や、やめっ…」



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