Heartful Voice
「捕まえるに決まってるやろ」
その表情に、小さく笑って。
もう一度、力いっぱい抱き締めて。
「……捕まえるの意味、違くないか?西の名探偵」
「違わへんで?死ぬまで離さへんからな」
上げた瞳に、優しく笑う瞳が映る。
その目を閉じて。
「好きやで、快斗」
呟くように言って、そっと口付けた。
その唇は、二人の心のように熱い。
二人に振る雪も溶かす程。
澄んだ空気に響く、クリスマスの訪れを告げる鐘の音。
静かに降る雪が、静かに街を染めて行く。
その中で。
真っ直ぐ続く、二人の足跡。
この先も、寄り添い続く二人の未来は。
ずっと。
ずっと重なり、繋がってゆく。
[ 14/48 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]