Heartful Voice

 店を出ると。
 途端、冷たい風が頬を撫で。
 思わず竦める肩。
 白い息。
 見上げた空は今にも泣きだしそうで。

「こら、降るな」

 見上げたまま、ポツリ呟く。
 暫しそのまま空を眺めて。
 視線を前に戻すと、小さく息を一つ吐き。

「カップルは喜びそうや」

 また呟きながら歩き出す街。
 色取り取りの煌びやかな装飾と電飾。
 そして、楽しげなクリスマスソングが流れる。

 今日は、クリスマスイヴ。

[ 9/48 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -