meet again after a long time

 服部の話では。オレは昨日、なんでかは分からないが、解熱剤の成分が消えるまでの24時間、つまり一日コナンだったらしい。

「嘘だろ」
「嘘ちゃうわ。白衣のねえちゃんに訊いてみぃ」

 宮野が証人なのは怪しい。だが、その怪しい人物を出してくる辺り、恐らく言ってる事は嘘じゃない。

「人が心配してやっとった、言うのに。お前、コナンの姿やとホンマええ性格しとるからなぁ。同一自分物で、なんでこうも違うのやろ。最悪や。さ・い・あ・く」

 なにをされたのかは知らないが。最悪なのはオレだ、オレ。
 腕を組んで、嫌なモノを見るような目で見てくる服部。あまりのガッカリ感に、溜息しか出ない。

「大体、コナンの頃から好きやったとか。そんなん、もっとはよう言えっちゅうんじゃ」
「はい?」

 なにオレに便乗して告っちゃってんだ、コナン。告ったついでになにやったんだよ。ヤったんじゃねーよな、おい。
 って、待て。重要なポイントは、そこじゃない気がする。

「もっと早く言えって、どう言う意味だ?」

 そう、ポイントはそこだ。さらっと言ってたけど、かなり重要だと思われる言葉。
 オレの問いに。しまった、と言った顔で服部が斜め上に視線を逸らす。

「早く言ってたらなんなんだ?まさかお前。ホントにコナンのオレにもヤらせたのかっ?!」
「意味なんてない。それに、ヤるワケないやろ。子供相手やぞ」
「嘘吐け!姿は違ってもアイツはオレだぞ。オレなら絶対なんかしてるっ」
「……自分で自分をなんやと思ってんねん……」

 呆れるように言って、細まった瞳で横目にこちらを向いてから。ひとつ、小さく息を吐くと。服部は、片手を伸ばしてオレの髪を梳き、そのまま指先で耳に触れ。唇を耳元へと近づけて。

「オレとヤってもええのは、今のお前だけや」

 小声で囁く。その吐息がかかってくすぐったい。

「覚えてへんのやったら。帰る前にちょっとだけ、恋人らしい事しとこか」

 頬に唇の触れる感覚。離れると同時にそちらを向いて。

「ちょっと?冗談だろ。忘れらんねーくらいがいい」

 微笑む唇に、自分のそれを重ねた。

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