meet again after a long time

「探偵やったら、謎くらい自分で解け」

 問い詰めてみたものの、服部はなにも話す気は無いらしい。そう言って、また溜息を吐くと部屋を出て行った。

「謎もなにも。ほぼ答え出てんじゃねーかよ、コレ」

 椅子に座って、もう一度写真を眺めてみる。そこに映っている自分の表情。それは、友達の横に居るって顔じゃない。
 そして、ソレを隠そうとしたって事は、その表情の理由を服部は知っているって事で。一緒に海水浴に行っていたのも、女連れより都合がいいとかそう言う事ではなく。つまりは、デートだったって事。

「要は、付き合ってんだな、オレ。服部と。……マジか」

 記憶の中に居る服部は、オレを大親友だとか言ってる、友達の服部だ。オレを好きだと言って来た事もあるが、それはあくまで友達として。そう言う意味でじゃない。
 ソレがオレを苦しめるなんて、きっとアイツは知らなくて。どこまでも無邪気で無防備。恐ろしく鈍感。そんなヤツ。

 ……よく付き合えたな、オレ。

「けど隠したって事は……。ホントは望んでないとか、まさかそーゆー……」

 写真の中の服部は、さっき見たのと同じような。ちょっと困ってるような、そんな表情をしている。恐らくデートで撮ったであろう写真で、何故そんな表情?
 たぶん、無理矢理2ショで撮ったとか、そんな事だとは思うけど。考えたら、なんだか不安になってきた。

「なにかある筈だ。他にももっと!」

 自分の性格を考えたら分かる。絶対残してる筈だ。アイツに関わるもの全て。
 謎を解くと言うよりも、不安を解く為。失った時間を知る為に証拠を探す事にした。

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