meet again after a long time
取り敢えず、宮野も原因を探してみてくれると言う事で話は落ち着き。その後、オレの家に戻って来た。……のはいいが。
「なんで自分の部屋に入っちゃダメなんだよ」
工藤新一だったのであろう頃の記憶を探そうと、部屋に入ろうとしたところを全力で服部に止められた。
「掃除したら入ってええから。それまではあかん」
「別に朝起きた時のままなだけだろ?なにがあるワケじゃなし」
「あるんや!あ、いや。無いけどっ。とにかくあかんモンはあかん!」
ある、とか言ったよな、コイツ。
「なにがあるって?」
「ええから下行っとけ!」
思い切り不審の目を向けると、少しの間は目を合わせていたものの。耐えられなかったのか、あからさまに何かを隠してる様子で視線を逸らした。
その隙を突いて。
「あ、コラ!待てっ」
「なにがあるってんだよ。別に以前と変わりな……」
入った部屋は、やはり朝起きた時のままで、特になにかが変わった様子は無い。視線を巡らせながら部屋の奥へと進んで、自分の机がある所でその変化に気付いた。
「……ああぁ」
机にあったソレを手に取り眺める。その様子を見て。服部が、大きな溜息と共に片手で顔を覆った。
「なんだコレ」
ソレを見たままに訊く。
「……写真」
「なんか、隣に映ってるヤツが記憶と違うんだけど」
言って写真を向けるが、服部はなにも返さない。ただ困ったような顔をしてるだけ。
もう一度写真に視線を移す。
記憶の中、確かに机に写真は置いてある。トロピカルランドで撮った写真が。ただ、映っていたのは自分と蘭だった筈だ。
だけど、手の中のソレに映っているのはそうじゃない。場所はトロピカルランドで同じだ。けれど映っているのは、オレと。そして、服部……――。
「おい、服部。お前、なにを隠してる?」
写真を机に戻して、すぐ目の前まで歩み寄る。見上げた瞳が、服部のソレと合って。服部の瞳は、今度は逸らされる事は無かったけど、やっぱ少し、困ったように揺れていた。
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