Many happy returns of the day.

 オレの本当に叶えたい願いは、いつだって、たった一つしかない。
 それは服部が、常に幸せであること。
 


「頑張った感はあるよな。愛する新一へ、ってなってたら完璧だったけど」
「あーほ。どこぞの色ボケやあるまいし、そないなメッセージ店員に頼めるかい」
「その色ボケって誰の事だ?まさかオレか?」
「他に誰がおんねん」

 片手で頬杖をつきながら、横目にオレを見る服部の首に光るチェーン。そこに通されている指輪は、昔オレが服部に贈ったモノ。
 対の指輪は、オレの薬指にある。

「じゃ、その色ボケの事が好きなお前は、よっぽどの物好きなんだな」

 アクセサリーを着けない服部が、腕時計以外で唯一着けてるアクセサリー。本人曰く、落としたら死ねる、呪いの指輪。
 愛のメッセージが、呪いの言葉ってのはどう言う事だ。

「誰が物好きや。失敬な」

 どっちが失敬だよ。思ってもれた苦笑いは。

「オレの好きな相手は、オレにとっての世界一。宇宙一や。せやから、オレが物好きなワケあらへん」

 そんな服部の言葉で。一瞬の驚きの後。オレの表情は、すぐに照れ笑いへと変わった。
 それを見つめる服部の瞳は、今日も優しい。



 たった一つの願いは。
 もう実行してる、と服部は言った。
 だから今日も、ただ服部の全てを愛してく。

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