Many happy returns of the day.
取り敢えず神社だし。お参りをしてから、目的の団子を食っていると。周りの会話から、やたらおみくじ、おみくじ、と言う単語が聞こえる。
「なあ、ここっておみくじも有名なのか?」
「んー?ああ、水神籤が有名らしいなぁ。水に浮かべて、沈むと願いが叶って、沈まへんと叶わないとか。水に浮かべると書かれてる事出てくるヤツやった気ぃする」
「ふーん」
一種のアトラクション感覚だな、とか思いながら。最後の一個を口へと放る。
「試しにやってみたらどないや」
「そうだなぁ」
本当に叶えたい願いなんて、いつもたった一つしかない。その願いが叶わない、なんて結果になったら。たぶん、オレはどうしていいか分からない。叶わないなんて事、ないって信じてるけど。
なんて、そんな事を思ったのが表情に出たのか。
「なんや、怖いんか」
服部が面白そうに、意地悪い笑みを向けてくるもんだから。
「んなワケねーだろ。たかがおみくじじゃねーか」
返して、結局やる破目になった。
他のヤツが相手なら、誘導尋問とか挑発なんて、絶対に引っかからねーのに。相手が服部だと簡単に引っかかる。
いつも服部を単純、単純言ってるけど。オレも十分単純だな。そう実感した。
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