桜の雨

「……つーか、友達の前はイヤなんじゃなかったのかよ?」

 離れた唇。
 まだ間近に居る瞳を細め見る。

「勝手にされんのはイヤや」
「どう言う理屈……」
「こーゆー理屈」

 作られた、不満そうな新一の表情に。
 もう一度口付けて。

 離れた平次の瞳が笑うと。
 新一のそれも嬉しそうに笑った。



 桜の時期は、出会いの季節。
 舞う花弁は祝福の雨。
 明日は入学式。

 ふたりのはじまり。
 季節は春。
 桜の花が美しい季節。

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