The parallel world

 学校から戻ると。
 一通の封筒が郵便受けに届いていた。
 その封筒は、どこか見覚えがある。

「……デジャヴ……どころじゃねーな」

 差出人は、服部平次。
 あちらの世界では、新一は小説の主人公としてしか存在していないようだったが。
 こちらの世界では、どうやら本当に高校生探偵として平次は存在しているらしい。

 ただ、あの平次と違っているのは。
 その積極性。

「はぁ?会いに来る……って、この日付……明日じゃねーか!!」

 言いながら見たカレンダー。
 書いてある日付は、間違いなく明日。

「連休っつったって……こっちの予定も考えやがれ。なんつー自分勝手な……」

 軽い眩暈を覚えつつ、最後の方を見ると。
 そこにあるのは携帯番号。

「……今回は間違いなく、説教してやる……」

 即行で架けた番号。
 数度の呼び出し音。

「もしもし?」

 あの時と同じ声が、携帯から聞こえた。

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