The parallel world
学校から戻ると。
一通の封筒が郵便受けに届いていた。
その封筒は、どこか見覚えがある。
「……デジャヴ……どころじゃねーな」
差出人は、服部平次。
あちらの世界では、新一は小説の主人公としてしか存在していないようだったが。
こちらの世界では、どうやら本当に高校生探偵として平次は存在しているらしい。
ただ、あの平次と違っているのは。
その積極性。
「はぁ?会いに来る……って、この日付……明日じゃねーか!!」
言いながら見たカレンダー。
書いてある日付は、間違いなく明日。
「連休っつったって……こっちの予定も考えやがれ。なんつー自分勝手な……」
軽い眩暈を覚えつつ、最後の方を見ると。
そこにあるのは携帯番号。
「……今回は間違いなく、説教してやる……」
即行で架けた番号。
数度の呼び出し音。
「もしもし?」
あの時と同じ声が、携帯から聞こえた。
[ 155/289 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]