The parallel world
新一が返事を送って数日。
郵便受けに、一通の封筒が届いた。
差出人は、服部平次。
「……マジか。ホントに居たんだ」
開いてみると。
ハガキが来て驚いた、とまずは書かれていた。
そして。
お前は誰だ、と。
「自分でハガキ書いといて、返事が来たらお前は誰だって……お前が誰だよ」
半ば呆れたような声を出しながら、新一はその続きの文を目で追った。
「……今度は電話しろってか」
最後の方。
そこには、携帯の番号が書かれていて。
本当に工藤新一なら架けて来い、と書いてある。
「ったく……マジで悪戯だったら説教してやる」
書いてあるからと言って、素直に架けるバカもなかなか居ないと言うものだが。
呟き終わるのが先か、番号を押し終わったのが先か。
デタラメではないらしい相手を、呼び出す音が携帯からは聞こえていた。
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