二人の記念日
「はい、オレの勝ちー」
「……黒羽。お前、ズルしとるやろ」
「してるワケねーだろ。平次が弱過ぎんだよ」
「……。もっかいや!」
テレビゲームに夢中な二人を、コーヒーを啜りながらに眺める工藤は。
ずっと一つの事だけを考えていた。
「あー!また負けたぁっ!!」
「ははは。やっぱ弱えな、平次」
「うっさいボケ!もっかいや、もっかい!!」
「えー、まだやんの?」
「勝つまでやるっ。ほれ、準備せぇ黒羽!」
一つの事とは。
だいぶ前から思ってはいたものの、どうにも機会が無くてそのままだった事。
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