「んっ…」

 桂月の顔がしかめられ、腹の奥でどろっとした液体が溢れたのを感じた。
 桂月がいったのだ。俺の中で。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
「かわいい。周君、大好き」

 息を荒らげる俺の額に、桂月が口付けを落とす。
 やっと、終わった…
 これで元通り、桂月と普通の恋人として、この学園で暮らして行けるのだ。
 思わず安堵のため息をついた俺に、信じがたい宣告が下された。


「希、元。出せなくなるまで絞ってあげて」


「え…」

 愕然と桂月を見やる。

「お、終わりじゃないのか?!」
「だって、周君が気持ち良くなっただけじゃ、お仕置きにならないでしょ?」

 またしても瀬崎と橋立が、俺を嬲るために近付いてくる。

「いやだ…!」

 桂月ならまだしも、こんな奴等にやられたくはない。
 腹ばいになって逃げようとしたが、腰を掴まれ引き寄せられる。
 桂月との行為で解れた場所に固いものがあてがわれ、そのまま深く穿たれた。
 太く、大きなものが、俺の中をこじ開けて突き進んでくる。

「う、ああああ!!」

 桂月が残した気だるい快感から一気に醒め、絶叫した。

「い、痛い!! 止めろ、マジでいてぇんだって!! ッ、ああああ!!」

 引き裂かれるような激痛に、身体が強張り鳥肌が立つ。

「痛い? そうだね、希のは周君のより大きいもんね」
「うう…」

 まるで拷問だ。
 瀬崎が背後で身じろぐたび走る苦痛に、涙がぼとぼと滴り落ちる。
 桂月の前で情けないとかかっこ悪いとか、考えている余裕もない。
 ただ何とか苦しみを紛らわそうと、身体は涙を流し続けた。

「痛いんだね、可哀想、周君。でも、仕方がないんだよ。気持ちがよくちゃ、お仕置きにならないんだもの。周君が泣き叫んで、嫌がらなくちゃ意味がないんだ。分かるよね?」

 俺的には、桂月のあれだけで十二分にお仕置きになると思うのだが!
 それにしても、あまりにも痛すぎる。

「桂月…桂月、助けて…」

 俺はなりふり構わず、桂月に助けを求めた。

「絶対、浮気なんてしない…桂月だけ。桂月だけを、大事にするから…もう、絶対に嘘はつかないから…愛してるんだ、桂月」
「周君…」

 桂月は目を見開き、白い頬を赤く染めた。

「はあ…僕も大概、周君には弱いんだよな…」

 溜息をついて、苦笑を浮かべる。

「希。よくしてあげて」
「かしこまりました、桂月様」
「あ…」

 瀬崎の動きがゆっくりになり、俺の中の良いところをやんわりと刺激してくる。

「んん、ん…」

 じんわりと痺れるような快感が、僅かにだが追えるようになってきた。

「もう苛めないから、安心して」
「桂月ぃ…」

 甘える俺に桂月は微笑むが、すぐにきりりとした厳しい顔になる。

「でも、浮気防止のために、当面の分、空っぽにはさせてもらうね。希」
「はい」

 緩やかだった瀬崎の律動が一気に激しさを増し、身体の中を滅茶苦茶に蹂躙される

「あっ、あ、あ…あーーーーっ!!」

 前立腺への激しすぎる攻撃に、俺は呆気なく陥落し、白旗を上げた。
 だが、瀬崎は未だ達することなく、俺を攻め続ける。
 いったあとの敏感な身体に、この仕打ちは辛すぎる。

「桂月…もうやだ…」
「駄目駄目、周君は欲望に溢れた野獣くんなんだから。もっとたっぷり出さなきゃ、空っぽにはならないでしょ」
「そんな…くぅ…!」

 ようやく瀬崎が俺の中で欲望を吐き出し、俺から身を離した。
 だが、すぐに橋立が取って代わり、閉じ切る間もない俺の穴に突き入った。

「もう、やだぁあ…」
「頑張って、周君」

 お仕置きは、まだ当分終わりそうにない。
 絶望に、涙が溢れた。



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