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4 たとえ捕らわれても




14歳の夏、またシリウスがやってきました。今度はピーターという、私より小さな、ダークブラウンの髪の男の子もやってきました。
15歳の夏、シリウスは家出をしたらしくて、今までより長い時間ジェームズの家にいました。そして私は初めて、お母さん以外の人にほっぺにキスをされました。シリウスは嬉しそうに笑っています。キスは愛情の印なので、私も嬉しく思いました。

15歳の秋、ジェームズたちが学校に戻って一ヶ月。お母さんが死にました。
急に酷い熱が出て、お医者さんに頼っても、見たことのない病気だと言われました。ジェームズたちに頼りたかったけど、私はあちらから梟が来ないと連絡が取れません。結局、お母さんは苦しんで苦しんで、熱くなって、冷たくなりました。
家の裏にお墓を作り、私は喫茶店のおばさんの好意で、なんとか生きていけるだけの生活を送りました。優しい優しいお母さんを失って、私にはジェームズとシリウスしかいなくなりました。でも、手紙にそんな悲しいことは書きません。ジェームズが楽しければ、私はそれでいいし、楽しいから。

16歳の夏、シリウスは一人暮らしを始めました。私に一緒に暮らさないかと行ってきたけど、私はお母さんのいるこの場所から離れたくなくて、断りました。

16歳の冬、家の前に知らないおじさんがやってきました。おじさんは、私のお母さんの知り合いで、私の後見人であると言いました。私はジェームズに会えるこの村から離れたくなかったけど、この人に着いていくのがお母さんの遺志だというなら、ついていくしかありません。

そのおじさんは、家に着いた途端に態度が変わり、とても冷たく私に当たりました。
私はおじさんに毎日殴られて蹴られて、びくびくしながら過ごしました。おじさんはいつもお酒を飲んでいて、私はおじさんの友達だというおじさんたちに裸にされたりしました。
セックスというらしいそれは、痛くて気持ち悪くて、私はすごく悲しくて辛かったです。ジェームズからの手紙は、来ました。でも、おじさんが、やってきた梟を二度も瓶で殴ったせいで、それからは一度も来ませんでした。
お母さんがいなくなって、ジェームズからの手紙も来ない。私は毎日毎日、死にたいと思いました。それでも、心のどこかで、ジェームズときっとまた会えると思っていて、死ねませんでした。









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