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3 永遠をはんぶんこ





ジェームズの手紙は途絶えることはありませんでした。学校が楽しいから、私のことなんて忘れてしまうかもしれないな、なんて思っていたけど、彼は一ヶ月に二回ほど手紙をくれました。彼の手紙は毎回毎回新しいことばかりで、とても楽しかったです。
魔法を使うには杖が必要で、その杖からは、水や植物や生物を出すこともできるし、服を乾かしたり物を浮かせたりもできるらしいです。彼には仲の良い友達が3人いて、いつもその人達と遊んでいるらしいです。それに、好きな女の子もいると教えてくれました。その子はとても可愛くて賢くて、女神に見えるって、ジェームズは羊皮紙3枚分くらいに彼女の魅力を書き綴っていました。中には、私にはちょっとよく分からない例えもあって、全部は理解できませんでした。とにかく、ジェームズはそのリリーという女の子がとても好きだということがよく解りました。
ジェームズは頭が良くてみんなの人気者で、あと、箒を使う魔法使いのスポーツもとても上手いと言っていました。いつか見せてほしいと返すと、友達や、その女の子もつれて、私の前で飛んでみせると言ってくれました。
ジェームズの友達や好きな子なら、きっと良い子たちに違いないので、私は楽しみがまた増えました。
ジェームズは、最初の1年だけ、クリスマスとイースターのときに帰ってきたけど、それからは、夏の一ヶ月と少ししか帰ってこなくなりました。学校がすごく楽しいといっていました。
ジェームズが学校で3年生の夏休み、ジェームズは初めて私を彼の家に招待してくれました。本当に森の中にあって、すごいお屋敷でした。ぴかぴかはしてないけど、とても立派でした。お屋敷の中のすべての部屋を回るだけで1日かかりました。それからジェームズは夏中私を家に招いてくれて、帰り際にはどっさりお土産をくれました。
夏の終わり、ジェームズのお友達のうちの一人がやってきました。黒い髪に灰色の目の、昔見た綺麗なお人形みたいな顔をした、ジェームズより背の高い男の子で、名前は、シリウス。シリウスはジェームズの友達は俺の友達だ、と言って私ととても仲良くしてくれました。
それから毎年、私は夏が待ち遠しくて仕方ありません。ジェームズが学校を卒業するのは18歳の夏らしいです。なので、あと4年もあります。
でもきっと、待てると思います。夏だって会えるし、手紙もあるんだから。









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