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2 星空のそばにいた





私はお母さんと二人きりで住んでいて、とても貧乏でした。お母さんは近所の喫茶店で下働きをさせてもらったり、編み物をしてそれを売ったりしていました。お父さんは、見たことがありません。
お母さんはいつもしんどそうだし、ご飯が全く無い日だって珍しくなく、私やお母さんの服もいつもみすぼらしかったです。
だから近所の子供達もあまり私たちに近づきません。でも、お母さんはとても優しくて、私はいつも一人でも、決して不幸せだなんて思いませんでした。
ジェームズはそれを知ると、森からやってくる度に食べ物を持ってきてくれたりしました。それに、お母さんのために、不思議ととても暖かい上着をくれたのです。お母さんはそのおかげで風邪をひかなくなり、お母さんもジェームズが大好きになりました。

ジェームズがいなくなった秋、初めての手紙が届きました。私たちの家に一羽の茶ふくろうが飛んできて、そのふくろうは手紙を落とし、くりくりした目で私を見つめました。そのふくろうは、私が手紙を読んで、返事を書き終わるまで、ちゃんと待っていてくれました。
ジェームズのくれた、インクの切れない魔法のペンと、同封してあった真新しい羊皮紙を使って、ジェームズの面白おかしい学校生活や学校のお友達についての感想を書きました。私はジェームズに会うまで、読み書きもできませんでした。ジェームズには、何から何までお世話になりっぱなしです。









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