てるてる坊主(※甘めのお話)

2011/06/11


毎日続く悪天候。

一昨日も雨。
昨日も雨。

そして今日も、しとしとと雫が窓を打つ。

いくら『恵みの雨』だと言っても、ここまで続くと気分も滅入る。



この海域は、丁度“きあつ”の狭間らしい。

だからまだ雨は続くってすごく不機嫌そうなシンさんが言っていた。



「と言う訳で、こんなもの作ってみました!」

そう言いながら高々と掲げられたのは、団子のような白い物体。

それを見たシンの眉間に皺が1本増えた。

「なんだそれは。」

「これはてるてる坊主といいまして、雨を止ませてくれるヤマトでは有名な…おまじないみたいなものです。」

高々と掲げられていたてるてる坊主を航海室の適当なところにくくりつける。

窓際でゆれるてるてる坊主。

「…おい、それについてるのはまさか…」

「あ、ばれました?」

くくりつけようとしたてるてる坊主には、ちょこんと眼帯がついていた。

「てるてる坊主シンさんバージョンです。」

「すぐにそれを外せ。打ち抜くぞ。」

「大丈夫ですよ。私のハートはとっくに打ち抜かれてますから。それにほら、私のバージョンのもありますから。」

一緒につけちゃいましょう!そう言ってキラキラおめめのてるてる坊主をぶらさげる。

仲良く寄り添うてるてる坊主。







ぶちっ




「あぁ!何するんですか!?」

シンの手には紐の切れたてるてる坊主があった。

「こんな恥ずかしいことできるか。」

てるてる坊主シンバージョンは没収されてしまった。


「いいですよー、こんなこともあろうかと…」

どこからともなく取り出したのは、

「てるてる坊主シンさんバージョン改もあります!!」

『どーん』という効果音が聞こえそうな勢いで掲げられたてるてる坊主。

「…」

呆気にとられるシン。

「シンさんバージョンだけでなく、みんなのもあります。」

どこに持っていたのか、ゴロゴロとたくさんのてるてる坊主を取り出した。


「数打ち当たるってことで、いっぱいあれば晴れるかなと…」

「言葉の使い方を間違っているし、労力の無駄使いだ。」

深いため息と共に頭を抱えるシン。

「何もやらないよりはいいかと…」

「考えた結果がそれか」

「私の精一杯です!」

「…もういい、好きにしろ。」

「はーい、好きにしますー。」

シンのお許しを頂いて、いそいそと、てるてる坊主を吊るしていく。

「なぜ一緒じゃないといけないんだ?」

「相乗効果とか、あるかなって。」

「…愛の力とか、言うんじゃないだろうな。」

「さすがシンさん、以心伝心ですね。」


シンはにやりと口角を上げた。
てるてる坊主に伸ばすその白く細い手を掴む。


「愛の力ってやつを証明してみるか?」

そして慣れた手つきで腰と後頭部に手を回す。


「もし晴れなかったら…お前の気持ちが偽物と言う事になるがな。」

意地悪そうに言うシンに、笑顔で答える。

「大丈夫です。そんなことは絶対ありえませんから。」

「…当然だ。」


お互い穏やかな笑みをこぼしながら…


近づくシンの気配を感じて眼を閉じた。





(きっと明日はぴーかん照りです!)










ぴーかん照り!!!!!


ってなことで『てるてる坊主』でした。


とある事情で、めいんに上げるのに気が引けたのでこっちにアップしました(*´∇`*)




<< >>


☆COMMENT☆
2011/06/15 11:19 陸空
間に入ったロイてるは問答無用でシン様に引きちぎられてそうです(笑)
『あいつ…海の藻屑にしてやる』的な←
ちょっぴり妬いてくれてたりするとなお良し(^w^)にまにま


メインに入れない理由は、大した事ではないのですが…
書き上がっていざアップしようとしたら他サイト様に似たようなネタがありまして(゜д゜;三;゜д゜)

そのサイト様はイラスト描かれてたのですが、何かトラブってもやだなぁという私のチキンハートからこちらにアップしました。
気にしすぎかも知れないですが…(^_^;)
..φ



2011/06/13 19:18 みー。
かわゆーい(≧∇≦)
なぜか強気な主人公ちゃんもかわゆす。
きっとこっそり忍び込んだロイがロイバージョンのてるてる坊主をシン様と主人公ちゃんの間に掛けておくんですね(笑)

ていうかなんでメインに入れないんですー?
..φ




▼NAME

▼URL

▼COMMENT

▼PASS





←|→


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -