You are my tootsie !




ゆうさんからのリクエストです。
リリ赤で、「先輩面したい赤也と赤也大好きなクラウザー」
といただきました。それでは、どうぞ!


*******



「おい、ウザウザー!」


廊下をひとりで歩いていたクラウザーを、
赤也は走って追いかけて呼び止めた。

振り返って立ち止まるクラウザーに追い付いた赤也は
約20cmほど身長差のあるクラウザーを見上げる形になり、
不服そうに頬を膨らませた。

「てめー、背ぇ高すぎんだよ!」

突然言われた文句にも、相手が赤也ならば
クラウザーは驚きもせずにじっと見つめる。
赤也が自分にやたらと絡んでくるのは、
5番コートで一緒になってからというもの
ほぼ毎日のことだったからだ。



「あ…またクラウザーに絡んでる、赤也の奴」
「ふふ、自分より年下の相手と話すのが楽しいんだろうね」
「赤也は年上にばっかり囲まれとるから
自分が先輩なのが新鮮で嬉しいんじゃろな」
「嬉しいって割には喧嘩売ってるようにしか見えねぇけどな」
「いいんだよ。赤也は怒ってる顔がすごく可愛いんだから」
「それに、喧嘩売ってるように見せかけて
話したいだけなのがバレバレじゃ」

少し離れた所で、立海3年生たちが
赤也とクラウザーの様子を見守っている。

すぐ身近に後輩と呼べる存在ができて、
赤也はそれがかなり嬉しいらしい。
何かとクラウザーに絡んでは
先輩ぶろうとしている姿が微笑ましかった。



「聞いてんのか、ウザウザーっ!」
「....What?」
「あ、あれ?通じてねぇのかな…えーっと
あいあむ、じゃなくて、えっと」

首を傾げて英語で聞き返してきたクラウザーに
逆に焦りだしてしまう赤也。
何を隠そう、赤也は英語が大の苦手だった。
このあいだも酷い点数をとって、
幸村に叱られたばかりだ。


「だからっ、背が高い…高いって英語でなんだっけ」
「Tall.」
「そうそれそれ!って、通じてんじゃねぇかテメェー!」

クスクスとおかしそうに笑うクラウザー。
からかわれたことに気づいた赤也は
キッとクラウザーを睨んだ。


「僕、日本語、話せマス」
「わ…分かってるっつーの!お前が通じてないフリするから!」

まだおかしそうに笑うクラウザーに、
赤也は恥ずかしさで顔を真っ赤にした。
そんな赤也の頭を、ぽんぽんとあやすように叩く。

「!てめっ、俺の方が先輩なんだぞ!」
「僕の方が背が高いデス」
「なっ…!」

綺麗な顔でにっこりと微笑むクラウザーに、
赤也は悔しそうに言葉を詰まらせる。
こんな感じで、先輩ぶりたいがために
毎日クラウザーに絡んでいく赤也だが、
自分より背も高く大人びた顔立ちのクラウザーに
いつも自分が子供っぽいということを
思い知らされてしまうのだ。


「…背なんか、すぐ追い抜くし」
「アカヤ?」
「成長期なめんなよッこのウザウザー!」

びしっとクラウザーを指差して
挑戦的な目を向ける赤也。
そんな赤也に、クラウザーはまたクスリと笑った。
これでは、どちらが先輩なのだか分からない。

ムスッと機嫌を悪くしてしまった赤也。
クラウザーは、そんな赤也を愛しそうに見つめた。
出会いこそ対戦相手としてだったため
第一印象は互いに最悪だった。

しかし、いざ絡んでみると、
裏表がなく人なつっこい性格に、元気な笑顔。
年上と思えないほどに無邪気な赤也を
可愛いと思うようになった。


フン、と怒ったようにそっぽを向くが
自分から離れようとはしない赤也に
愛しさが募る。


「アカヤ」
「なんだよウザウザ、……っ!?」

すっ、とクラウザーが身を少し屈めて
赤也の頬に触れたと思った瞬間、


――ちゅ。



「…な、ななな、ッ」


額に唇を寄せられて、キスをされた。


突然のことに混乱して真っ赤になる赤也。
その様子を満足そうに見たクラウザーは
にっこりと微笑んで、また赤也に顔を近づけた。


「僕の、名前」
「え…?」
「クラウザー、デスよ」
「!う、るせぇっ!お前なんか、ウザウザー…っ」
「アカヤ」

綺麗すぎるくらいの顔を近づけられ、
蒼い瞳で覗き込まれる。
吸い込まれそうなくらい綺麗な色から、
目を逸らせなくなってしまった。



「…く、くらうざ」


ようやく発した赤也のその言葉を聞いて、
嬉しそうに微笑んだクラウザーは
ようやく頬を包んでいた手を離した。

そして、真っ赤になってしまった赤也を
まっすぐ見つめて、ひとこと。


「....tootsie.」



「へ?」

知らない英単語を突然言われて、
赤也はポカンとした表情でクラウザーを見上げた。

「今、なんて言ったんだ?」
「…内緒デス」

クスッと笑ったクラウザーは、
もう一度優しく赤也の髪に触れてから、
歩いて行ってしまった。



「な、なんなんだよ…アイツっ!わけわかんねぇ」

キスされた額を押さえて、また真っ赤になる赤也。

後輩のくせに。
年下のくせに。
生意気で、大人びてて、ムカつく。


だけど、さっきから心臓はドキドキと音を速めていて。


その理由に赤也が気づくのは、
もう少し、先のお話。




You are my tootsie!



◎おまけ

「柳せんぱーい、tootsieってどういう意味ッスか?」
「かわいこちゃん」
「は?」
「だから、かわいこちゃんという意味だ。
ハニーなどとも同じ用途で使われる」
「か、かわ……ッ」
「どうした赤也。顔が赤いぞ」
「!な、なんでもないッス!!おやすみなさい!」
「?」
「………か、かわいこ…ちゃん(ドキドキ)」



◎おまけ2(部長ズ)

「ええなぁ、外国人やからって
切原クンにチューしても許されるやなんて」
「…ふふ、俺は許してないけどね」
「ちょ。ペットボトル握り潰すんやめや幸村クン」
「……フン。1年の金髪のガキごときに
易々と渡してたまるか、アーン?」
「せやな。もうどんどんライバル増えて嫌なるわ」
「俺様はテメェらがライバルだということも認めてねぇけどな」
「こっちの台詞なんだけど跡部。ほんとムカつく」
「…まあまあ、ピリピリしすぎやで二人とも」
「そういう白石こそ、笑顔ひきつってるけど」
「………」
「………」
「………」
「「「チッ」」」





おわり


*******


ゆうさんからのリクエストで、リリ赤でした。
ゆうさん、お待たせしてしまって
申し訳ございません;
2回目のリクエストありがとうです!

リリ赤、ずっと書いてみたかったんですが
クラウザーさんのキャラがいまいち
よく分かっていなくてですね(笑)
確か公式設定では、こんな話し方で合ってますよね?
すみません勉強不足で…;

Tootsie は、かわいこちゃんっていう意味です。
トッツィーと読みます。
これをクラウザーに言わせたかっただけという(笑)
12歳で何言っとんねんって感じですけどね。

後輩と絡む赤也かわいいです。
先輩面したい赤也、萌え!
ゆうさん、素敵なリクエスト
ほんとにありがとうございました*
わたしの力不足でこんな文になってしまい
ほんとにごめんなさい!><

これからもぜひ、よろしくお願いします♪

2012.04.28

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