じれったい恋





「白石部長」
「ん、どないしたん財前」
「謙也さんさっきからぼーっとしてて
上の空やけどなんかあったんですか」
「あー…うん。青春ちゅーやつとちゃうか」
「青春?」
「好きな子できたらしいわ」
「そらおもろいこと聞いたわ」



「謙也さん」
「………」
「なぁ謙也さん」
「………」
「無視せんといてください、しばき倒しますよ」
「いだだだだ!な、なんやねん財前」
「さっきから呼んでるんすけど」
「そ、そらすまんかったな」
「謙也さんって」
「なんや」
「好きな人できたんすか?」
「!!!!!」
「誰っすか、相談のったりますよ」
「う、うっさいわ!ニヤニヤすんな!」
「だれ」
「べべべつに好きとちゃうわ」
「ふーん、で、だれ」
「…おもろがってるやろ」
「はい」
「即答すんなハゲ!」
「ハゲてません」
「いや、ハゲてるわ、精神的に!」
「失礼な人やな」
「俺のことはほっといてくれ」
「ふーん」
「大体お前はなぁ、」

プルルルルルル

「!!!!」
「携帯鳴ってますよ」
「わ、わかっとるわ!」

プルルルルルル

「はよ出ぇや」
「やかましいわ、出るっちゅーねん!」
「…………」
「……………」

プルルルルルル

「もしかして、片想いの相手からとか?」
「!!!!ちゃう、ちゃうわボケ!」
「そうなんや」
「ちゃう…好きとか、ありえへん…ちゃうねん」
「はいもしもし」
「あっお前!!!勝手に出んなや!!!」



「もしもし…ってあれ?謙也じゃねぇ?」
「え。あんた誰」
「俺が聞いてんだっつーの!誰だよお前」
「財前やけど」
「おー財前!久しぶり!おれおれ、向日!氷帝の」
「…え?」
「?なんだよ?」
「いや別に」
「つーかなんでお前が謙也の電話に出るわけ」
「気にせんとってください。謙也さんに代わります」
「おう」
「え、えええっ、ちょ、待っ…!!!」



「あ、もしもし謙也ー?」
「おっ…おう!!」
「なーなー謙也が貸してくれたゲームあるじゃん」
「お…おー」
「どうしても最後のボス倒せない!」
「そ、そうか」
「謙也どうやってクリアしたんだよー」
「あれは…村人から新しい武器もらってやな」
「うんうん」
「そのあと一回、森に戻って」
「うんうん」
「ほんで、魔法使いに会って武器をバージョンアップさせて」
「えっマジ?くそくそ、知らなかったー!!」
「よ、よかったやん。今日中にクリアできるんちゃう」
「おう!さんきゅー謙也!」
「お…おん」
「次会ったときゲーム返すから」
「別に、いつでも…ええよ」
「うん!じゃーまたな!」
「あっ…む、向日!」
「ん?なに?」
「いやその…が、がんばれよ」
「へへっ、任せとけ!ぜってークリアする」
「………」
「じゃ、またなーっ」
「お…おう、またな」



「…謙也さん」
「な、なんやねん」
「謙也さんの好きな人て」
「!!!」
「まさかとは思うけど」
「ちゃう!ちゃうやん!ちゃうて!」
「ちゃう何回言うん」
「うっさいわっ」
「ええやん別に隠さんでも」
「……変や思うやろ?」
「なにが?」
「俺のこと」
「謙也さんのことやったら、いつも変や思てますよ」
「やかましいわ!そうじゃなくて、その」
「ん」
「お、男やん…向日って」
「そうですね」
「変やろ。俺も男やん。やのに」
「やのに、好きなんでしょ?」
「……わからん、けど」
「けど?」
「なんやめっちゃ可愛ええな思て…」
「ほお」
「話しとっておもろいし」
「ふーん」
「めっちゃええ奴やねん」
「へぇ」
「髪の毛サラサラやし、女の子みたいに色白でな」
「……うん」
「ほんで、笑ったらめっちゃ可愛いくてな」
「……」
「けど怒った顔も可愛ええねん!」
「………」
「いつも楽しそうにぴょんぴょん跳ねとってな」
「…………」
「なんか、それ見とったらめっちゃ心臓痛なってな」
「…………」
「ドキドキしとんねん」
「…………」
「けど」
「……けど?」
「まあ好きとかではないよな!どう思う?光」



「あ、財前がズッコケた」
「珍しいなあ」
「おもろいなあ」
「つーか謙也はほんまに自覚ないねんな」
「鈍感すぎるやろ」
「まあおもろいからしばらく教えんとこや」
「なー」



おわり(え)


*******


終わりが見えないので強制終了です。

四天宝寺の日常ってほのぼのだと思う。

謙也さんと財前が好きすぎて書いただけの話でした(笑)
会話文たのしいですよね。

最近、ほんとに謙也さん好きです。
ヘタレ可愛いよヘタレ!
謙岳マイナーだけど、もぐもぐ。
昔から大好きなCPです。

このふたりは、謙也さんの片想いくらいの時期を書くのが
いちばん楽しいです、わたし的には*

謙岳スキーさん、同士募集しております(笑)

2012.04.03

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