ハッピーチョコケーキ




「うんめー!」
「丸井先輩、食べ過ぎッスよ…」

久しぶりに部活が早く終わったので、
丸井先輩の家に遊びに来た。
先輩は、「赤也にケーキ作ってやるよぃ」って言って
慣れた手つきでさらさらとケーキを作った。
その手つきは感心するぐらいすごかったし、
味もすげーおいしかった。けど。

「そんなにチョコケーキばっか食べて
気持ち悪くならないんすか…」
「ならない」

さらっと当たり前のように答えながら、
最後のひと切れに手を伸ばす先輩。

「あり、もう最後か。赤也、いるか?」
「俺もう十分食べたんでいいッスよ」
「そうか?じゃあ食べる」

そう言って、最後のケーキもあっさりと
先輩の口の中に消えていった。

「あー食った食った。満足ー。
どうよ赤也、俺のチョコケーキ。うまかっただろぃ?」
「すげーうまかったッス」
「やっぱ俺って天才的ぃ。………あ、」
「?」
「赤也、チョコついてる」
「え、どこどこ」
「バカ、そこじゃねーっての」
「…っ!」

顔が近い、と思った瞬間
口の端を先輩になめられてた。

「ん、甘い」
「っそりゃ…ケーキッスからね!」

恥ずかしくなってうつむくと、
両手で頬を包まれ、上に向かされた。
そのまま唇を重ねられる。

「…んっ」
「……やっぱ甘いな。もっかい」
「も、もうケーキついてないッスよっ」
「いや、ケーキじゃなくて。お前が甘い」
「ふっ…ん」

いつもの深い深い口づけではなく、
本当に唇を味わうように、
啄むようなキスを何度もされる。

「…丸井せんぱ」
「違う。ブン太、だろぃ」
「……ブン太…せんぱい」

ちゅ、と音を立てて唇を離すと、
真っ赤な顔でぎゅっと抱きついてきた。

「………かわい」

そう言いながら髪を撫でてやると、
俺の肩に顔を埋めながら
かわいくないッス…と小さく呟いた。

「好きだぜぃ、赤也」
真っ赤な赤也の顔をまたそっと上に向かせて、
今日もう何度目かも分からない、甘い甘いキスをした。





*******


初、ブン赤です。
アンケートにも票入ってたので書いてみました。

ブン赤って、絵的にめちゃくちゃ可愛いですよね。
ふたりとも可愛い。

けど、わたし的にはブンちゃんは
立海の中でいちばん男前な性格だと思います。
だからわたしは、ブンちゃんは受けじゃなくて攻めがいいです。
恋愛も積極的だと萌える。
赤也とのコンビが萌えますね。

2012.03.20

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