「ひゅーひゅー、半田やるなあ」 「良いなー」 「お前ら、うるさい!」 相変わらずサッカー部のみんなは仲が良いな、なんて思ったら少し嬉しくなった。 「じゃあ帰ろうか」 「うん」 「…なに笑ってんだ?」 「ううん、なんでもない」 サッカー部と言うか半田くんを待っていたのだが、かなり時間が経っていた。待ち始めた頃はまだ空は青かったのに、今では暗くなりかけている。 「待たせたよなー」 「平気だよ」 「でも…危ないだろ」 「ありがと」と返しておく。それでも、やっぱり半田くんと帰りたい私がその忠告を聞くことはないのだ。半田くんの部活を見学しながら待って、一緒に帰る、最近やっと習慣になりつつあるが、まだ少し、いやだいぶ緊張する。恥ずかしさから隣を歩けない私は1歩程後ろを歩く。端から見て私って彼女に見えてるのかな?急に不安になる。こうやって、ぐるぐる考えてるのもよくないかもしれない。でもいつもどうやって喋ってたっけ?ああ、また考えて…「名前」「は、はい!」 半田くんが振り向いてこっちを見ていた。 「お前…すごい百面相…」 笑われてしまった。でも笑ってもやっぱりかっこいい。…なんて思ったり、して、恥ずかしいな。 「なに?今度は照れてるの?」 「あ、いや、違う」 「…ていうか前から気になってたんだけど」 「うん」 「なんでちょっと後ろ歩くんだよ」 「え、それは…」 「それは?」 あれ…なんで?恥ずかしいっていうか、でも帰ってるのは嬉しいわけで、嫌がってると思われてるかな。後ろから見る半田くんもかっこいいし…とか言ったら気持ち悪いかもしれない、どうしようなんて答えたら「あー、その、つまり、あれだよ」「?」 照れる 「手繋ごう、って、こと」 (20100906) |