もしものハナシね。 今日が晴れじゃなくて、雨だったらどうする? 「置き傘がある」 テニスが出来ない程の豪雨だったら? 「校内で筋トレをする」 願いが一つ叶うなら何をお願いする? 「お前が仕事に集中するように」 …コーヒー買ってきましょうかって言ったらどうする? 「是非いただこう」 いちごみるくでも良い? 「…」 是非コーヒーを買わせていただきます。 ちなみに、私が生徒会の仕事を放棄して逃げ出したらどうする? 「引きずってでも連れ戻す」 行ってきます。 自動販売機は生徒会室から割りと近い所にあるので、辿り着くまでにあまり時間はかからなかった。自販機のボタンがピカピカと楽しげに光っていた。私はコーヒーと、それからいちごみるくのボタンを押した。ガコン すぐに音をたてて飲み物が落ちてきて、私の任務の終了を知らせる。すぐ戻らなくては。 「早かったな」 「手塚くん」 「?」 もしもコーヒーと、いちごみるく、どちらかを選んでくださいと言われたらどうする? 「コーヒー」 もしもそれが私の飲みかけのいちごみるくと、コーヒーだったら? そう聞いたら手塚くんは心底嫌そうなカオをして「どちらでも」と言った。 …手塚くん、もしも私が自惚れたら、どうするの? 「もしも、」そう言ったのは手塚くんだった。今まで向かい合っていた書類から顔を上げて「もしも、それが自惚れではなかったら、どうする」 私は持っていたいちごみるくを一口飲み「もしもがもしもじゃなかったら良いのになって、思うよ」そう言ったら手塚くんはビックリするぐらい綺麗な顔で微笑んだ。 * project/doooo! 20101214 |