「鬼道先輩、好きです」


鬼道先輩の第一印象は、変な人。ゴーグルを付けてマントを着用したその姿は正直とても異質なものとして私の目に映った。


春奈にそのことを話したら「サッカーをやってるお兄ちゃんはかっこいいんだよ」と言われた。だからある日、帰りにサッカー部の様子を見てみた。春奈が言ってたことを思い出しただけ、と言うただなんでもない理由で。


驚いた


と言うより、目が離せなかった。グラウンドを走る鬼道先輩に、鬼道先輩のプレーに。先輩の回りだけがキラキラと輝いて、やがては心臓がやけに大きくどくんどくんと動いているの感じる。息も詰まりそうな気分だ。


「鬼道先輩、好きです」


翌日、春奈に話した。春奈は至極楽しそう。そして「お兄ちゃん意外ともてるから積極的にならなきゃ」と言った。


「鬼道先輩、好きです」


私ってこんなに積極的な人間だったっけ?おかしいな


「鬼道先輩、好きです」


最初は「春奈の友達」という呼び方だったのが、いつからか「みょうじ」に変わってた。


「鬼道先輩、好きです」
「…」
「好きです」
「みょうじ」
「はい」
「聞き飽きた」
「…じゃあ、嫌いです」
「…」
「ほら、眉間に皺寄せてます」
「元からだ」
「嘘つけ」


「鬼道先輩、好きです」




感化






(20100826)
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