鼠が空を覆い尽くす。

持ってきた苦悩は日に日に重みを増す。傷は言えずに自分一人、部屋に閉じこもる。じゅくじゅくと発信される痛みに耐えかね、死んでしまうと叫んでみても、誰にも届かず虚しくなった。

鼠が空を覆い尽くして、太陽を隠せば、街中に湿った空気が溢れ出す。ふらふら行き着いた先は国道沿いの並木道。行方知らずのトラックはトンネルに吸い込まれ、その脇では蛙が潰れていた。

なんだかまた、虚しさに苛まれて首を締める。何度目だと嘲笑するも辞められない。風が吹く。生活が濡れていく。

鼠が空を覆い尽くす。

お気に入りのTシャツに付着した血痕に気が付いた。





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