閻魔くん閻魔くん閻魔くん好き好き好き好き愛してるちゅっちゅっ!…なんつって。虚しい。

珍しく風邪なんか引いちゃって、怠いなぁとか思いつつ体温を計ると37度5分。なんてベタな。お母さんは朝早くから仕事に行ってしまったので、テンプレート通り学校に連絡を入れ、冷蔵庫に入っていた冷えぴたを額に貼って布団に潜り込んだ。動けない程苦しいなんて事はなくて、寧ろ熱があるのにテンション上がってきて、小野に意味もなくメールを送ってしまった。因みに《ぱんつくれ》というメールを送ってから返信がない。寂しい。そんな感じで時計の短い方の針が11を指した頃に、弄りっぱなしで電池が無くなってきた携帯が鳴った。着信。閻魔くん。うわああああ閻魔くんて閻魔くんて!アドレス交換したけど隣のクラスだからあんまり喋った事のない彼は私の片想い相手でありまして、この事は小野しか知らない。どうしようとテンパってたら着うたが途切れる。と、思ったらもう一度鳴りはじめた。閻魔くんしつこいな。観念して通話ボタンを押す。手が!震える!



「も、もしもし…」

『あ、え、閻魔、くんです!』

「知ってます」

『あの、風邪?って聞いたけど大丈夫?』

「うん、意外と平気…かな」

『そっかーよかった』

「ありがとう…?」

『…ん?うん?』

「心配してくれて?」

『ああ、うん、いえいえ』

「………」

『………』

「…………」

『……………あの』

「へ!?」

『えっ』



沈黙気まずい!!なんて思ってたら閻魔くんが急に喋るから、思わず声が裏返ってしまった。うわわわ恥ずかしい。



『早く良くなるといいね』



閻魔くんが電話越しに笑った気がした。顔が熱い。熱上がりそう。それじゃあ授業始まるから!とチャイムをBGMに閻魔くんが言うから、また明日!と返してしまった。



『あ、後でメールしていい?』

「是非!」

『ありがとう!お大事に』

「うん」



ツーツー。無機質な音が流れる携帯を見つめてたら、心臓が苦しくなった。ああ好きだなぁ。明日は一番に閻魔くんに会いにいこう。それから、それから。色んな事を考えてたら瞼が重くなってきてきゅうと目を瞑る。寝ようとした時の小野からのメールに少し殺意が湧いたけど、内容を読んだらそれどころじゃなくなった。どうしよう好き過ぎて辛い。


《閻魔さん、名字が来てないからわざわざ僕に聞きに来るくらい心配してたよ(笑)》



君と私の主成分は同じ





***
名字呼び可愛い。
妹子ちゃんはキューピッド的立ち位置な気がする。





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