込み上げてくる吐き気と快楽を飲み込んで喘ぐ喘ぐ喘ぐ。必死になって鳴いた。触れたところから一つになれればいいのに。うっすらそう考えた。あぁ、そういえばこいつは明日、アメリカ行きの飛行機に乗って私とはさようならするんだったっけなぁ。苦しんでるような吐息に交じる甘い声が耳障りだ。こんな関係こわれてしまえばいいのに。
「…ねぇ」
「なに」
「さっき何考えてたの?ずっと上の空だった」
「べっつに」
「…何怒ってんの」
怒ってねえよ。散らかった衣服を拾い集めて身に纏っていく。じんわり滲んでいく視界。悟られないように彼の部屋から逃げ出す。衣服に付いた煙草の匂いが妙に愛おしい。振り返れないけれど。コンビニに寄って吸うわけでもない煙草を買ってから家に帰って泣いた。
ブルーシートの中で、
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