彼女ができたと、閻魔が嬉しそうに話してきたのは先週のことだった。閻魔は彼女のことで頭がいっぱいなのか、付き合いが悪くなった。それまで一緒に帰ったりゲーセン行ったりしていたのに、急にできなくなって寂しい。それを鬼男に話したら、初めての彼女で浮かれてるんだろ、と呆れたように返された。だけど私は鬼男みたいに大人じゃないから寂しくてたまらないのだ。閻魔の彼女さんが悪いわけじゃないけれど、閻魔の彼女さんに嫉妬した。憎いとは思わなかった。ただ私の場所を返してほしいと思った。羨ましいと思った。私は閻魔のことが好きだったのかな、少し離れた場所で楽しそうに彼女さんと話す閻魔を横目に鬼男に聞いた。鬼男は少し驚いた顔をしてから、私の頭を乱暴に撫でた。くしゃくしゃになった髪の毛を手櫛で直す。鬼男はそれ以上何も言わずに自分の教室に戻って行った。一人になった私は、閻魔の声が聞こえない様にイヤホンで耳を塞いで、閻魔の姿が見えない様に机に突っ伏した。

あなたの一番は私ではないことくらい分かっていたけれど、私の一番はあなたでした。何て不公平なのかしらと拗ねて愚痴を吐く。泣くのは最終手段でしょう。






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