バイト先で失敗して、お客さんにも店長にも怒られて怒鳴られて、バイト仲間には呆れられて、上手く出来なくて、そのことずるずる引きずって失敗ばっかりで、もう、嫌。って。思ったの。でもどうする事も出来なくて、無能な私にできる事なんて精々、夜な夜な声を噛み殺して泣く事位で、自分はなんて駄目な人間なんだろうと卑下したって、結局自分が大好きだから皆不条理だって、周りのせいにして自分は悪くないんだって言って自己防衛してるだけ。だから死にたいって、言ったところでそんな勇気もない。下向いて、一人ぼっちなら強気な私は少ないボキャブラリーの中から一番汚い言葉を吐き捨てるの。
死ね。



「お前が死ねよ」



私のくだらないエゴを鼻で笑う西くんは、返り血で汚れた頬を乱暴に拭った。彼の足元に転がる下半身が無い生き物、が、生きようとしてと必死に呼吸をしている。西くんはそれを思いっきり踏みつぶして笑った。



「お前が思ッてる程、死ぬのッて難しくないし」



今まで下半身の無い生き物に向けられていた西くんの鞄が私に向けられた。



「またな」



私の血で汚れる西くんは、それはそれは、綺麗で。











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