違う違うって。閻魔さんはケラケラ笑ってみせた。私は隣に居たはずの鬼男が居ない事に気付きながらも、狂ったように笑う閻魔さんから目が離せずにいた。閻魔さんは漆黒の髪を少うし赤く染め、病的に白い肌に似合わない赤を拭って、「俺さぁ、もー嫌になっちゃったんだー」子供みたいな口調で言う。「だって何度君を愛せど君は俺の事忘れてしまうし、下界じゃ他の男に抱かれてるんでしょ?何で俺がこんな思いしなきゃいけないんだと思う?」閻魔さんの目は完全に据わってて私しか映ってない。足がガクガクと震えて動けない私の頬をやんわりと撫でた。綺麗な顔から笑みが消える。形のいい唇が、私の耳元で囁いた。「俺ばっかりなんて不公平だよね」瞬間的に全身へ伝う鋭い痛みを認識した時、閻魔さんは泣いていた。











第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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