板チョコを噛み砕いて、口の中で溶かして胃に押し込める。携帯は電源を切って浴槽に捨てた。カーテンを閉め切って部屋を真っ暗にしたら、何も見えないような錯覚に陥って恍惚。玄関には俺の靴だけがぽつんと取り残されて、時計の秒針の音だけが、やけに煩く感じた。



「ねえねえお兄さん」
「明日は晴れるのよ」
「桜が咲くの」
「見に行きましょう」

「うるせえなあ黙ってろよ」



俺もうすぐ、眠るんだから。



***
張り付いて奇怪








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