離れたくない。傍にいたい。ずっと一緒にいたい。手を離したくない。抱き締めてほしい。寂しいのはいやだ。泣きたくない。怒りたくない。笑いたくない。もう全てを放棄してしまいたい。



「、」



彼女が小さく何か呟いた。俺は何も言えなくて、ただただ、泣けなくて笑えなくて、小さな彼女の左手を握っていた。


あいしてる愛してる。好きだ。離れたくない。



「ばいばい」



全部押し込んで嘘を吐いた。


泣いて泣いて泣いて泣いて声が枯れて唄えなくなったらどうしようとか少し考えて、でも止まらなかった。
ふざけんな馬鹿野郎。お前なんか嫌いになれないって、何度も言ってんだろ。


***
過去形にしたくなくて僕は忘れないように君の唄を唄う。








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