黙ってテレビ見れない人嫌い。
静かに出来ない人嫌い。
空気読めない人嫌い。
自分大好きな人嫌い。
毎日楽しそうな人嫌い。
総じて、閻魔さんは大嫌い。
「えー?俺は大好きだけどね」
「何がです」
「君が」
「……有り難迷惑です」
「そ?」
傷付くでもなく照れるでもなくコーヒーを啜る横顔が憎い。苛々するんです貴方といると。
「…腹立たしい」
「え?」
「死んでください、閻魔さん」
ずっとずっと羨ましかった。誰かの中心でキラキラ笑う閻魔さんが羨ましかった。誰かに愛される閻魔さんが羨ましかった。彼のような人になりたかった。嫌いじゃない。愛してるんです。
でも閻魔さんは私の物になんかならない。彼の左手薬指に嵌められたシルバーリングは私の左手薬指には嵌められていない。
「部下に死ねって言われちゃった…」
「いつも言われてるじゃないですか、鬼男さんに」
「…そうだけど」
「帰りますお疲れ様でした」
黙ってテレビ見れない人嫌い。
静かに出来ない人嫌い。
空気読めない人嫌い。
自分大好きな人嫌い。
毎日楽しそうな人嫌い。
大嫌いなのに、惹かれてしまって仕方ない。
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