「もしも世界が終るなら最後くらいは笑って欲しいなあ」
「…それ私に言ってるの?」
「うん」
小説から目を離さずにそう、と小さく返された(反応薄くて切ない)。真っ白い肌の腕に指を這わせば、鬱陶しいと払われる。それでもちょっかいを出そうとする自分がいて、つくづく構ってちゃんだなぁ、と自虐気味に笑った。
「人類滅亡説って知ってる?」
「…聞いたことならある」
「俺も君も、みんな死んじゃうのかね」
「あくまで仮説でしょ」
「ロマンがないなぁ」
「……でも、もしも、本当にもしも世界が終って、私も閻魔も死んじゃうなら、その時くらいはちゅーしてあげる」
予言通りであれ、未来。
≪ ≫