「私、閻魔先輩ってもっと、こう、かっこいいというかプレイボーイ的な?人だと思ってましたけど案外普通の人ですよね。ちょっと可笑しいというか、残念だけど」
「そんなこと言ったら俺が可哀想でしょー」
閻魔先輩はヘラヘラ笑って私の首に指を這わせた。
「俺意外に一途よ?」
「でも女の子好きですよね」
「好きー」
「女の子の敵ですね」
「ねえ、もしさ、俺が死んだらどうする?」
「どうもしないです」
「ふーん」
「死にたいんですか?」
「かもねえ」
先輩って自分に無関心すぎると思う。
閻魔先輩のしっとりと濡れた髪の毛に触れた。先輩は笑った。
「消えたい、すーっと」
「無理でしょう」
「分かってますぅー」
「でも止めませんよ、私」
死ぬのも生きるのも、貴方の自由ですよ。付け足して言ったら先輩は、一瞬だけ悲しそうにして、それを誤魔化すように吐き捨てた。
「止めてもらったって嬉しくないよ」
口だけは達者なんですね。そんなところも大好きです。
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主に狂ってる
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