「りっ、ちゃん、」


ステージの上でキラキラの笑顔を振りまく彼女の名前を呼びました。けれどすぐに騒音に消されてしまいました。彼女は酷く眩しくて可愛らしくて愛おしい笑顔で笑います。私はその笑顔が大嫌いです。汗ばんだ手に握っていたピックが真っ暗な地面に落ちて、隣で騒がしく飛び跳ねる誰かに踏まれて蹴飛ばされて、見失ってしまいました。りっちゃんからもらった大切なピック。りっちゃんが私の為にくれたのに。ステージに視線を戻すと気のせいかも分かりませんが、りっちゃんと目が合いました。りっちゃんは笑いました。キラキラの笑顔で。私は何だか胸が苦しくなって顔が熱くなってきてしまいました。


「今日はありがとー!!」


スピーカーから流れる大音量のりっちゃんの声に心臓がどきりと跳ねました。大変私病気みたい。






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