「私もうすぐ死ぬのよ」



辛そうでも苦しそうでも悲しそうでもなく、表情を変えずに淡々と言った彼女の横顔は見た事もないくらい美しかった。



「どうして」

「病気、なんだって」



自分の事なのに、まるで他人事のように話す。
あの時の彼女の横顔が今も頭から離れない。



生きていてくれだなんて言えるはずもない。
(何もできやしないのに力になりたいだなんて、そんなのただのエゴだろう)










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