「沖田くん授業出ないと卒業できないよ」
屋上の冷たいコンクリートに寝転がる沖田くんを見下しながらそう言うと、パンツ見えてんぞ、と欠伸をしながら返された。
「単位ヤバイって先生言ってた」
「そうかィ」
「留年したいの?」
「したら退学でもしてやらァ」
沖田くんの上に出来た私の影から逃げるように、沖田くんはゆっくりと起き上がって伸びをした。
「つーかお前に言われたくねぇ」
「私は足りてるから」
「あっそう」
「早く教室帰ろうよ」
「お前俺が好きなんだろ」
「自惚れないでよ、頼まれただけだから」
「顔赤くなってんぞ」
余裕そうな笑みを浮かべて校舎に入っていく沖田くんを追って、もう一度だけ罵倒した。
≪ ≫