「貴女なんか死んでしまえばいいんです」



六道くんは冷たく言い放った。言われた私はどうすることもできず、浴びせられた言葉を頭の中でリピートしながら呆然と立ち尽くして彼を見ていた。死ねって言った。綺麗な顔で。藍色の髪を風に揺らして六道くんは私を見ている。赤と青の目に私を映す。



「死にたいんでしょう」



ぐにゃり。六道くんの顔が歪んだ。人を馬鹿にしたような、余裕そうな顔から悲しそうな顔になった。何でそんな顔するの、ねえ、六道くん。言葉にできないので、次に浴びせられる言葉を待った。だけど六道くんは一向に口を開かない。それどころか六道くんの口は私の口とくっ付いていて、お互いがお互いの口を塞いでいた。暫くしてから離れた六道くんの唇に、思いっきり噛みついてやろうかと思ったけれどやめた(六道くんの顔に傷を付けたら犯罪になる気がする)。



「僕は人間以外愛せないんですよ」



机に大きく書かれた落書きも、破かれた教科書も、汚く汚された上履きも、未だ水が滴り落ちるびしょびしょの制服も、どこかのゴミ箱に捨てられてるであろう指定ジャージも、私を否定していた人たちも、全てがどうでもよくなった。
傷一つない綺麗な手で私の頬を撫でた六道くんは、再び私にキスをした。

死にたいなら死ねばいいそれでも僕は君を愛し続けてやる


境界線








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