「閻魔ー…起きろー」
毛布に包まって唸る閻魔の背中をバッシバシと叩く。
結露した窓の向こう側で落ち葉が舞う。目覚まし時計が煩く鳴いた。
「うえ…」
「だから飲みすぎるなって言ったじゃない」
「違う、なんか…倦怠感」
「…風邪?」
「かもー…」
ダルそうに頭を押さえる閻魔は未だ布団から出ようとしない。つか出ろよ。今日仕事だよ。支度しやがれ。ボザボザの頭を軽く叩いて温かい布団から這い出た。否、這い出ようとしたら、左腕を引かれて再び布団にダイブした。
「…なに」
「んー?」
「あのね、今日ね、仕事だから」
「俺君の上司だし」
そういう問題じゃないでしょう、言う前に塞がれた口。ぎゅうと抱かれて伝わる温度に眠気が襲ってきた。
「んふふー」
「寝ぼけてるでしょ」
誘惑に負けて布団に潜り込む。閻魔は嬉しそうに微笑んだ。
「サボりだ、サボり」
「うっさい」しろい日の恋人