■ ハンターさん大剣豪に出会う
「んー…行けども行けども海ばっかだけど気持ちいい天気だねぇ、ナルガたん」
そんな風に声を掛けるとぐるる、と同意するように私を乗せているかわいこちゃんが喉を鳴らす。さりさり首の毛を掻いてあげると目が細められて、あぁ癒される、超可愛い私のナルガたん。
とか思っていたら穏やかな海面の上に何か物体。あ、違う人だ。というかボートみたいな船だ。初めてお話し出来そうな生命体に出会ったよ私大歓喜。
とか思ってたら衝撃波?斬撃?みたいなものがすっ飛んできた。慌ててスラックスを抜いて弾き飛ばす。ついでに叫ぶ。
「何してくれんのよナルガたんが怪我したらどうすんのッ?!」
私の下で若干呆れ気味な鳴き声を当のナルガたんが上げた気もしたけど、怒り心頭な私の耳には全然届かないのだった。
◆ ◇ ◆
いきなり攻撃してきたこんちくしょうの名前はジュラキュール・ミホークとか言うらしい。どこの厨ニハンターだよ。どこぞの菌類先生も真っ青な厨ニネームだよ。しかも紙防御に最強武器とかほんと狙い過いたたたた
「痛い! 地味に足踏むの止めて!」
あと人のモノローグ読むのも止めて!紹介してやってんだぞこちとrあいたたたたごめんなさい許して!
ええと…気を取り直しまして。目の前の大剣ハンター・ミホークさんはハンターじゃなくて海賊でついでに大剣豪なんだそうな。話を聞いていったところ、何か私はモンハン界じゃないところにやってきてしまったらしいです?ワァ、摩訶不思議ナコトモアルモノダネー。
「うええええ…私はただ今日も楽しくナルガたんと一狩りいこうぜ!してただけなのに…」
「…さっきから気になっていたのだが」
「はい?」
「その“ナルガたん”とは何だ」
ごく真面目な顔で訊かれた。あぁ、この世界ってのはナルガたん存在しないのか。楽園がないに等しいなそりゃ。
「ナルガたんは正式名はナルガクルガと言ってこの子の種族名。因みにうちのナルガたんは雌だけど簡単にお嫁にはやりません!」
ふん!と胸を張ったら軽く引いた顔をされた。解せない。金色グリグリ目の胸元開けたオッさんの癖に痛い痛い痛いすいませんでしたって!
モンハンの女ハンターさんが海賊世界に転がり込んできました
ナルガ厨のスラックス厨、装備は勿論ナルガ一色…かと思いきやボックスも一緒だったので気分で変えられたりしたり。
13.06.01
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