■ 熱中症

※レディ・バッカス(下劣な愛を〜)設定






「わーにちゃんっ」
「可及的速やかにお引き取り願おうか」
「えー鰐ちゃんってば相変わらずつれなーい」
「仕事の邪魔だ。さっさと帰りたまえレディ・バッカス」
「“悪巧みの”でしょ? いいじゃない私知ってるんだから全部」
「よかねェよ。テメェんとこの仕事は放ったらかしか」
「あら心配してくれてるの? でも大丈夫ようちの秘書たちは皆優秀だから」
「ハッ、ここまでの業績は全部そいつらの力任せって訳だ」
「ふふ、まさか。私が一から教育した子たちよ…使えるのは確かだけど社を丸任せには出来ないわ。必要な仕事は熟してきてるの」
「俺にも仕事をさせやがれ」
「んー。んん、そうね…“熱中症”ってゆっくり言ってくれたら帰る」
「あァ? 何だそりゃあ」
「“熱中症”って言うだけよ、簡単でしょ? それで平穏に仕事に戻れるんだし安いものだわ」
「………。ねっちゅう、しょう…?」
「喜んで、ハニー」
「は──っ…ん、……ッ!」
「ふ…っ、ん…! ……もう、噛み付くなんて乱暴ね、サー?」
「テメェが先に噛み付いてきたんだろうが」
「…そうね。約束したし今日のところは帰るわ」
「二度と来てくれなくて結構だ」
「またね、鰐ちゃん」



「……クソ、あんな小娘に」

 くしゃりと髪をかき乱したクロコダイルの頬は微かに赤くなっていたとかいなかったとか。







こういう単純なの引っ掛かっちゃう子だよね鰐ちゃんて。

13.07.03


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