■ 残熱

 ぽふ、と小柄な体が隣に倒れ込んでくる。すんなりとした腰に腕を回そうとすると、ぺしりと手の甲を叩かれた。そうして抱き寄せられるのを拒否して、彼女は薄く目を閉じた。ピロートークに付き合ってくれる気はどうやらないらしい。
 それでも諦め悪く手を出してみると、露骨に嫌そうな顔をされる。

「そんな顔されるとおじさん地味に傷付くんだけどなー」
「そうですか私好き勝手に突っ込まれて腰が痛いわ喉が痛いわ最悪な気分なので大噴火でもされてきて下さい」
「ちょっ、それ暗に死んでこいって言ってるよね? それに喉痛いのは※※※ちゃんが啼きまくるからでしょうが」

 言いながら無理矢理抱き寄せる。露骨なことを言ってきたのは自分の方なのに顔を赤らめるのが年相応な感じがして可愛らしい。
 そう言えば自分の娘でもおかしくないような年齢だったよな、なんて考えると何だか余計に興奮してくる。変態臭いなと思ったものの、※※※ちゃんが可愛いのが悪いってことにしておく。うん、我ながら名案。

「え、やっ…大将、もうしな…ひゃん!」
「こういう時に階級で呼ぶなって言ってるでしょ。お仕置き決定な」
「ぁ…ん、やだ、や…ぁっ、あぁ…ッ」

 体を起こして※※※ちゃんを組み敷く。逃げる間も与えずに指を秘裂に差し込むと、さっきの名残の愛液が熱く絡み付いてきた。
 何だ嫌がってる割にはいい反応、なんて、俺が※※※ちゃんのイイ部分を余すところなく知ってるからなんだけど。ぐるりと中で指を旋回させると切なげな吐息が口から漏らされて、だけど視線はキッと俺を睨み付けてくる。あらら、そういう表情されても煽られるだけなんだけどねぇ。
 十分過ぎるくらいに濡れている粘膜から指を引き抜いて、代わりにまたガチガチになっているペニスの先端をそこに押し当てる。その熱さにびくん、と抱えた※※※ちゃんの足先が跳ねた。

「も、ほんとに、や…ク、ザンさ…っ」
「だーめ。許したげない」
「っ、ぁ! あ、ぁアあ…っッ!」

 ぐんと奥まで一気に突き入れると、※※※ちゃんは悲鳴じみた声を上げた。体格差的に根本の方まで突っ込むとキツいのは重々承知だ。でもまぁ、これお仕置きだし※※※ちゃん奥突かれるの好きだし。
 翌日勤務の時だと怒られるからあんまりしないけど、最悪明日は…いや厳密にはもう今日か、休んだっていいだろう。書類もほんの二山くらいしか溜まってない。そんなつまらないことに時間費やすよりも、俺としちゃ前後不覚になるくらいとろとろになっちゃった※※※ちゃんを構っている方が当たり前に楽しい。
 身悶えて逃げようとするのを押さえ付けて、力強く腰を送り込む。

「ひぁっ、あ、やぁ、クザっふか、奥やらぁ…っ!」

 ぶんぶん首が振られて、円らな瞳から涙の雫が零れ落ちていく。でも既に視線は蕩けていて、俺を受け入れている秘処もさっきからひっきりなしにぺニスを締め付けてくる。引き抜くと逃がしたくないみたいに絡んでくるから、また深いところまでずぷずぷ埋める。
 シーツの上で藻掻く指は逃げ場を求めて彷徨ってるのに両足は俺の腰に絡められていて、それがまた可愛いったらない。譫言のようにイヤとダメを繰り返す唇をねっとり奪って、そうしながら俺は今まで掠めるだけにしていた部分を突き上げる。

「っ! ひッ、──〜〜〜っ! んぁっ、あっ、ひああぁんっ!」
「はっ…すご、」

 思い切り舌に歯を立てられたのも気にならないくらい、きゅううっと膣が収縮した。その搾り取るみたいな動きに持っていかれそうになりながら、俺は尚もそこを攻め立てる。
 もうね、びくんびくん痙攣する中が気持ちいいなんてもんじゃないのよ。ちょっと大袈裟に言うと天国イけそうな感じ。※※※ちゃんもそれくらい感じまくってるけど。
 もう語尾に全部ハートマークついてんじゃないの?って勢いで喘ぎ声を上げて、のたうつ体は上気して汗に塗れている。腰を振る度にたゆんたゆん揺れている胸の先で尖っている乳首に歯を立てると、また声が跳ねた。

「イっちゃっ、らめぇ、もぉイっひゃうぅ…ッ!」
「※※※ちゃんヤーらし…」
「ぁあああっ、! やら、中はぁッ…、あかちゃ、赤ひゃんれきちゃう…ッ、クザンしゃ…っ」
「っ…出来ちゃえばいいじゃない、責任くらい取ったげる、よっ!」

 今更ながらゴムをしてないのに気付いたらしい※※※ちゃんが必死で縋り付いてくる。けど、今更ストップするなんて到底無理だ。外で出すのもいまいち考えられない。
 ごりごり最奥にペニスの先端を擦り付けると、俺の我慢ももう限界だ。何度も達して絶え間なくヒクついている※※※ちゃんの胎内にごぷりと精液を吐き出す。
 2回目だってのに我ながら随分と濃厚な種付けに、※※※ちゃんの中はいじらしく吸い付いてくる。全部吸い取ろうとするみたいなその動きが堪らなくて、俺は一滴残さず注ぎ込もうとゆるゆる抽挿を繰り返すのを止められない。
 あー、ほんと、ヤバい。病み付きになりそう。俺も焼きが回ったかな、なんて。

「あ、あぁ、お腹…なか、いっぱ……ふぁ…」

 とろりと恍惚に瞳を蕩かせて胸を喘がせる※※※ちゃんを抱き締めて、俺はその唇に優しく口付けた。


◆ ◇ ◆


「…………最低最低最低有り得ないほんとに3回くらい大噴火されてついでに八尺瓊勾玉もくらえばいいのに」
「えーっと、ごめんね? 反省してるから機嫌直して…?」

 起きるなり一緒にくるまってた毛布をひっペがしてだんご虫みたいな形状になってしまった※※※ちゃんの口からは、ずっと恨みがましい声が零されていた。掠れた声がセクシーだとかそんなことを考えてる場合じゃない。これ割と本気で怒ってる。
 でも可愛いなぁと思うのは止められない訳で、つい浮ついてしまう俺の声音に※※※ちゃんという名の布団だんご虫はフーッ!と猫が威嚇するみたいな様子を見せた。中でどんな動きしたらそうなるのよ。
 困って※※※ちゃんの隣で所在なく頬をぽりぽり掻いていると、もそりと鉄壁かと思われた毛布が開いて隙間から顔が覗いた。泣き腫らした目元が赤くなっていて、やっぱり凄くヤラしいなと思う。

「せきにん、」
「ん?」
「責任取ってくれるって、ほんと、ですか」

 意外なことを訊かれて、俺は一瞬ぽかんとしてしまう。あれ、ちゃんと聞こえてたんだ、とか。そんなことを考えているうちに※※※ちゃんの顔が泣きそうに歪んで、またピャッと毛布の向こう側に引っ込んでしまった。
 おっとマズいマズい。誤解されちゃ堪んないわ。

「おーい※※※ちゃん? ほんとだから出といで」
「…クザンさん、信用ならない……」
「失礼だなクォラ。俺※※※ちゃんにはいつでも本気よ?」

 多分この辺が頭だなってところで甘く囁いてあげたら、ちょっとしてから真っ赤になった※※※ちゃんが怖々と顔を出した。それがもう本当に、あんまりにも可愛かったから、懲りずに朝から一戦交えようとして散々に怒られたのは言うまでもない。
 因みにそんなことしてたもんだから当然2人揃って盛大に仕事に遅刻して、俺はリアルに大噴火されそうになったのでしたとさ。因みに※※※ちゃんは早退していいって言われてた。これって差別じゃない?

「区別じゃあバカタレがァ」
「へいへいすいませんねー、っと」







まさかみさくらジェネにお世話になる日が来ようとは…。

13.06.26


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