■ ハンターさん一狩りする

 謎の巨大生物に乗って空から現れた女は今、嬉々として海王類と戦っている。海賊団でも戦闘より逃走を考えるような大きさだが、モンスターハンターだと名乗った※※※は耐性がどうこう言いながら装備を替えるとナルガクルガというらしい獣と一緒に飛んでいってしまった。「アマツの亜種みたいひゃっほう」とは一体何の呪文なのだろうか。
 そうして暫く眺めていると、※※※は満足げな顔でひらりと船に帰ってくる。目立った傷はないようだ。

「大銀冠級10分針ー!」

 などと言ってガッツポーズをする俺よりも幾分か小柄な姿の向こう、海王類は力尽きて水に沈んでいく。大きな武器を手慣れた様子で取り回していた辺り、それなりには戦えるらしい。
 その後ろでは、女を乗せて自らも戦闘に参加していたナルガクルガがくぁあと欠伸をしていた。最中に爛々と輝いていた眼光は鳴りを潜めて穏やかなものだった。尾の棘のようなものも引っ込められている。
 俺は背中から大きな武器を外す※※※を見遣る。当初は黒っぽい革の防具に包まれていたその体は、今は青銅色の鎧に覆われていた。硬い素材から露出した二の腕や内腿の白さ、そこをうっすらと浮いた汗が伝っていくのがやけに艶かしい。
 歴とした戦闘装束にそんな感想を抱くなど、俺もやはり男か。前回島に立ち寄ったのは随分と前のことで、多少なりとも溜まっているのだろう。健康的な若い女の体は少々目に毒だ。胴鎧が外されると陽光の下、眩しく感じられる程に無防備な背中が晒される。

「ミホーク? どうかしたの?」

 俺の視線にナルガクルガがぐるると喉を鳴らし、※※※がくるりと振り向いた。きちんと下着が胸元を覆っているのがせめてもの救いだ。面積はやたらと小さいが。

「…いや、何でもない」
「? 変なのー」

 首を傾げて俺から興味を逸らした※※※は、もそもそと箱の中を整理し始める。別の世界からここに迷い込んだ彼女の唯一の私物だが、どういう構造になっているのか見た目の何倍もの収納量があるらしい。防具も武器も何種類も収められ、今も海王類から採ってきたらしい鱗や鰭などを※※※がぽいぽい放り込んでいる。
 その体を覆うのは現在、上下とも心許ない下着だけだ。夏島が近く気候が暑いのは十分に分かるが。

「主はもう少し恥じらいを持て」
「え、どっか弛んでた?! やだどこっ?」

 返答の声がそんなことを大真面目に問うたので、俺は溜め息を吐くよりなかった。お前の体は心配せずとも十分魅力的な筋肉質だとは、言わずにおいた。







うっすら腹筋割れてる系女子。
因みに装備変更はナルガSU混合→アグナU、スラックスはクルペキスパンダーのイメージで。

13.06.15


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