おしまい。
一ヶ月近くこの漫画を描いていたんですけど、描いてる途中で入れたい話が増えて、最初6本の予定だったのがこんな中途半端な本数になりました。区切りが悪い。


ところで謙也は物を貰うより(もちろんそれも嬉しいけど)気持ちを伝えて貰う方が嬉しいと思うんですが、表現がストレート過ぎると照れちゃってそっぽ向きそうです。
でも本当は超嬉しいし、白石が普段そういうことを気安く言う人ではないという事もをわかってるので、やっぱり嬉しいわけです。
でも照れる…嬉しいけど言い方が照れるわアホ!キザ男かお前は!みたいな。
そういうちょっとキザというかくさいことは白石の方が普通にするっと言えちゃうイメージなんですが、改めて親友って言うと、やっぱり双方何か、何かむずむずしそう。言った本人ですら、後から「今のちょっとくさいかも」ってなるのです。でも謙也みたいに顔には出ずに、「たまにはええか」とあっさり。
改まった言葉で定義する必要がないくらい、当たり前のように超仲良しな3−2が好きです。超好き。


▼その後のやりとり

謙也「ところでお祝い遅なった理由って何やねん」
白石「そこを聞くんか……」
謙也「あかんの?」
白石「あかんくはないけど」
謙也「ほな何」
白石「あのな、エクスタちゃんに新しいおもちゃを買うたったらおこづかいがね。なくなってしもてん」
謙也「……」
白石「……」
謙也「猫に負けたか……」
白石「いや、ちょっと聞いてくれ」
謙也「何を」
白石「シャカシャカ通り抜け袋ってやつやねん」
謙也「おもちゃの説明いらんし」
白石「いや、これがまた。袋から顔だけ出た所がめっちゃ可愛いねんけど」
謙也「……」
白石「お詫びとしてその貴重な写メを、俺は謙也くんに進呈してあげてもええかなと思てる」
謙也「そこはかとなく上から言うてるよな?」
白石「むっっっっっちゃ可愛いねんて!」
謙也「ほーん」
白石「送るから」
謙也「ほーん……」
白石「待ち受けにしてもええから」
謙也「ほー…」
白石「ちゃんと牛筋も奢ったるからええやん」
謙也「そうね」
白石「ほんで写メは待ちうけにしたらええと思う」
謙也「なんで人んちのペットを待ちうけにせなあかんねん」
白石「ふ……。あ、今送ったよ。画像を見ても同じことを言えるやろうか」
謙也「……うぉっ、こ、これは!」
白石「ふっふっふ」
謙也「………………ところで牛筋どこに食いいく?」
白石「うちん子をスルーすんな!」
謙也「いや、待ち受け設定したけど」
白石「え、ほんまに?」
謙也「ほんまに。見る?」
白石「見せて。……うーん、人の携帯におってもうちの子って可愛えな」
謙也「そうね。可愛いね。ならお返しに今度うちの子の写メも送ったげるわ。撮り下ろしで」
白石「いや、それはいい」
謙也「なんでやねん!」
白石「俺恐竜とかトカゲとか、爬虫類系には興味ないねん。せやから気持ちだけ受け取っとくから」
謙也「はぁ〜?」
白石「ほんで牛筋やねんけどな」
謙也「おい」
白石「調べてんけど豊房の牛すじ焼きそばがめっちゃうまそうやってん」
謙也「おい白石」
白石「え、牛筋と焼きそばのコラボはあかん?」
謙也「あかんくない。むっちゃ美味そう」
白石「ならそこ行こかー。住吉区やから家と反対方向やねんけど、どうせ今日半どんやんな。一回帰って昼に待ち合わせればええかな」
謙也「うん」
白石「あ、ユウジたちも誘おうか」
謙也「おん?」
白石「さっき謙也の誕生日忘れてたーしもたーみたいなこと言うてたから、誘えば来るん違うかな」
謙也「なら俺が言うて来ようか」
白石「あかんあかん。今日はお前がお祝いしてもらう人で、言うなら俺がホストやねん」
謙也「ホストってお前、似合いすぎやろそれ」
白石「謙也くん。そのホストとは違うから。いや、意味的には同じかもしれんけど違うから。ドンペリ開けてパラパラ踊って歌ったりはしいひんから。もー、チャチャ入れんといてくれ」
謙也「すいません」
白石「とにかく、今日は俺が仕切るからお前は何もせんでええねん」
謙也「すごいVIP待遇や」
白石「まあ年に一回のお誕生日やし。たまには俺が仕切らんとな」
謙也「ありがとうございます」
白石「こちらこそ。お誕生日おめでとうございます。……ました。遅れてごめんな」
謙也「ええねん。気持ちが嬉しいから。猫には負けたけどお祝いしてくれるという白石くんのその気持ちが。猫を優先させたけどそれでもお祝いしてくれることを忘れてへん白石くんのその気持ちが!俺はめっちゃ嬉しいで!ありがとう!友達ってええもんやな!」
白石「……何か引っかかる」
謙也「牛筋楽しみやなぁ」
白石「せやね」

っていう。数日遅れの誕生日。
この後一氏やらを誘ったら、「住吉区まで行くの面倒くない?」ってなって、パークス辺りで遊んでもいいと思います。
牛筋はどうなったかと言うと、気を使った謙也が「俺、誕生日におかんの牛筋たらふく食ったからしばらく食べんでも平気やし」とか言ったのであれば良い。それで白石がまた「あー、いらん気ぃ使わせてしもたー。ちゅーか自分の誕生祝いやねんから、本人が遠慮すんなこのアホ!」って思うんですけど、まあ言いません。
牛筋はまた今度でええかな、と白石もあっさり割り切り。

しかし実際にみんなが合流して(最終的に師範まで来てればいいです。千歳と金ちゃんは不参加。この時点ではまだ転校してきてないし入学していないからです)遊び出したらすんごく楽しくて、パークス内のショップを見倒してからカラオケにでも行って一氏が物真似ワンマンショーで場を盛り上げ、財前が予想外の美声で洋楽を披露し(謙也以外は誰の歌かわからないとかだといい)小春は謙也の隣でホステス化、外で買ってこっそり持ち込んだケーキに白石が無駄のない配列でろうそく14本を突き刺して、小春と一氏が誕生日の歌を熱唱。
『ハッピーバースデートゥーユー
ハッピバースデートゥーユー
ハッピーバースデーディアー謙也くーん
忘れてーてーごめんねー♪』
で謙也爆笑。みんな爆笑。
結果的にすんごく思い出に残る誕生日祝いになって欲しいです。

そんな感じで散々遊び倒した帰り際、謙也が白石にこそっと「お祝いしてくれてありがとう」って言って、すんごく人懐こそうな笑顔でにっこり。キラキラのエフェクトが見えそうなくらいまぶしい笑顔を希望します。
それを見たら白石は「計画と違うねんけどな〜」って思いつつも「楽しかったなら良かった」でにっこり。こちらは女の子ならコロッと行きそうな笑顔です。
「牛筋はまた今度行こうな」で更ににっこり。

それに気付いた一氏が、
「お前ら何ニタニタしてんねん!」
って突っ込んだら最高。最高の状態でこのお話はフィニッシュ。


そんな訳で謙也くん、お誕生日おめでとう!ございました!
一ヶ月も遅れてごめんね。
普段はクールぶって格好つけているくせに、試合が始まると一生懸命チームメイトの応援に徹したり、相手の気持ちを慮って大事な最後の試合を譲れてしまう、そういう人に優しい謙也が好きです。
来年もお祝いできますように!


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