謙也は自分の意見ははっきりと主張出来るタイプだと思うんですが、だからといって自己主張が激し過ぎるというわけではないので、自分の誕生日を周りがスルーしているからと言って「今日俺の誕生日なんですけど!なんかお祝いしてくれへんかなあ!?」っていう恩着せがましい自己申告はしないのです。
「まあ時期が悪いわなー、そら忘れるわなあ」ていう感じにケロッと割り切っちゃう謙也。おおらか。
というか自分も当日朝までスコーンと忘れていて、朝の食卓で先に起きて食パンでもかじっていた弟から「お兄ちゃん誕生日おめでとう」って声を掛けられて「おおお!せや、今日俺のお誕生日やんっ」ってなればいいと思います。
前日から明日誕生日か〜ってそわそわする謙也も可愛いと思うんですが、自分のイベントごとに関しては結構無頓着な謙也も可愛い。たまらん。
それで弟が「自分の誕生日忘れてたん?」と聞けば、謙也は首を傾げ、うーんと眉間にシワを寄せて、
「なんか最近部活とか色々バタバタしとったせいかなあ」
「でも兄ちゃん、去年もそんなん言うてた気がするけど…」
「えっ、ほんまに?せやったっけ?」
「人の誕生日は覚えてるのに、お兄ちゃんてほんまにええ人やなあ」で、弟がにっこり。
「お兄ちゃん、今日の夕飯はご馳走用意しとくから、寄り道せんと早く帰っておいでね。ケーキもデッカイの予約しとるから」とお母さんもにっこり。
なんかもうそれだけで全然OK。満足できちゃう謙也。
いやー、誕生日ってご馳走にケーキまで食えてほんまにええ日やなぁ!って幸せ一杯。
そんな訳で部活の為に生徒もまばらな学校に行って、誰からもおめでとうって言われなくても全然平気なのです。
やってお家でご馳走が待ってるもん!ああ楽しみ!
っていうのが顔に出て若干いつもより機嫌が良さそうには見えるとは思うんですが、みんななんか今日は謙也がにこにこしてるなぁと思いつつ(※白石と財前だけは理由知ってる)、誰もお誕生日のことは思い出さないと。美味しい。
しかし逆で自分がお祝いする立場で友達の誕生日を忘れていたとなったらもう大問題で、「俺はアホかー!」って頭を抱えて天を仰ぎ、お誕生日だった友達に平身低頭謝り倒すのだと思います。
そういう、自分の周りの人をすごく大事に思っている謙也がいいです。
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