▼ 風邪
「暑いんだか寒いんだかわかんない」
「これ食って寝とけ！」
「ゾンビマンさん料理作れるんですね」
「ほらさっさと食べて寝ろほらあーんしろあーん！」
「ちょっと！熱っ！わたし猫舌なんですよ、あーんするならもう少し冷ましてから口に入れてくださいよぉ！」
「わがままなやつめ」
「いやぁゾンビマンさんが来てくれて助かった、学校から帰ってきても一人なもんで」
「電話口で言葉少なすぎて焦ったからな、そんなほいほい俺に頼るなんてめずらしいなと思ったし」
「死にたくなかったんですよ」
「え」
「風邪なんかで体力尽きて、死にたくなかったんですよ」
「…………」
「…………」
「……死ぬなよ」
「はい」
「俺は、お前を意地でも生かすから」
「期待しております、どうかこのまま生かして明日の朝には学校に行けるようにしてください」
「……は？」
「受験生たるもの、一日でも学校休んだらもう浦島太郎状態、授業についていけなくなってしまいますから」
「ふっざけんな！！休め！」
「熱っ！だから急に口の中に冷まさずにお粥突っ込むのやめてくださいって！」
2013/09/18
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