偽りの過去、もう一つの未来
※もし5年前会っていたのは啓介じゃなく涼介だったら…

涼介さんは優里の元カレの友人だった。
中2の時、大学まで殴り込みに行った私を冷静にさせてくれて優里の元カレにキツく言って優里に謝らせてくれた人…。
そして今でもお付き合いをさせてもらっている。
涼介さんの恋人香織さんと一緒に。

今日も涼介さんと香織さんと私の好きなスイーツを食べにカフェに入った。私は相変わらずショートケーキを頼んだ。
「本当になまえちゃんは美味しそうに食べるよね。見てて惚れ惚れするわ」
「そんな…!香織さんこそ大人っぽくてキレイで私の憧れです。こんなお姉さん私も欲しいなぁ…」
「なまえちゃんが妹なら大歓迎よ」
「えへへ…」
「オレ抜きで楽しそうですね」
香織さんの前では子供っぽくなる涼介さんと全てを包み込む香織さんに見惚れてしまう。ホントにお似合いの二人…。
あんなことがなければ二人は結婚するんじゃないかって思った。

ある夜のこと。私は突然涼介さんに呼び出されて近所のファミレスまで来た。なんだろう?
「香織さんが…死んだ」
「え?」
「香織さんが死んだんだ…」
涼介さんの手が震えてる。嘘じゃないんだ。
私は涙が止まらなかった。優しくお姉さんみたいだった香織さん。
どうして…どうして死んじゃうの?涼介さんとこれからを歩んでほしかったのに…。
私はひとしきり泣いた後、まだ震えてる涼介さんの手を両手で握った。
「涼介さん…無理しないで。私がいる、なんておこがましいことは言いません。でも…私を利用しても構わないから」
「なまえ…」
そこから始まった私達の恋人ごっこ。
お互い恋心はなかったけどそれでも涼介さんは優しい恋人でいてくれた。

そして私が高校2年に上がった頃、突然別れを告げられて会えなくなった。
私は何故かそれが悲しくて落ち込んでたけど2年も恋人でいてくれた涼介さんに感謝もした。


そして1年後の夏、秋名山で涼介さんと再会する。
それから偽物じゃなく本物の恋人となるのはその冬のことだった。

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小牧さま
大変遅くなりまして申し訳ありません。
神奈川戦にちなんで涼介の甘々か切甘とのことでしたので切甘で香織さんを出してみました。
甘いのは苦手なのでもし気に入らないところがあったら言ってください。すぐに書き直します。
こちらは小牧さまのみお持ち帰り自由です。
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