好きな人は?
※涼介視点

ある日、俺の家になまえが遊びに来た。しばらくはレースのビデオを観ていたがそれに飽きたのか啓介がなまえの方に振り向いた。

「おまえ、どういうのが好みなんだ?」
突然何を言い出すかと思えばくだらない。
「どういうの?」
なまえがキョトンとした。
当たり前だな。啓介の言葉に主語が入ってない。なまえだってどういうのと言われても困るだろう。
「だーかーらー男とかそういうのだよ」
なまえのタイプか…それは興味あるな。
「そういうの考えたことないよ」
少し不機嫌そうに言う…そういう所も可愛いな。
「じゃあ今考えろ」
「えー…」
「啓介、無理を言うな。なまえあまり深く考えなくていいんだぞ」
「アニキも知りてぇじゃねぇかよ」
「なにか言ったか?」
ボソリと言ったつもりかもしれないが聞こえているぞ。
「イイエ、ナンデモアリマセン」
啓介は全身には汗をかきながら言う。
ふっ我が弟ながらちょろいな。
「…やっぱり私を全て包みこんでくれる人とか?」
なまえ、オレならお前の全てを包みこんでやるぞ。
「それでいつも助けてくれて私をずっと好きでいてくれる人?」
まさしくオレじゃないか!早速なまえの親父さんに挨拶して結婚式はいつがいいか…プロジェクトDが終わった春くらいかな。
それか6月まで待つか…ジューンブライドもいいかもしれないな。
「それじゃあ分かんねーよ!当てはまる男結構いるぞ!!」
「だって急に言われたから…でも今気になる人はいるよ」
「誰だよ」
「んー…内緒」
誰だ?!なまえの好きな男とは!瞬時になまえが今までバトルした男達の顔を思い出す。
中里か、ケンタか、それとも…京一!?許さん、それだけは許さんぞ。
「(アニキ悶々としてるなぁ面白れぇ)」
「(なんか疲れたなぁ…)いきなりどうしたの?そんな質問して」
「いやぁヒマだったから?」
「疑問形にするのやめて」
「じゃあ気分だ、気分。それより気になる奴教えろよ!」
「やだよ。どうせ言ったってバカにするだけだし」
「言ってみなくちゃ分かんねーだろ?」
「とりあえず啓介じゃない」
「こいつ!」
啓介がなまえの髪をぐしゃぐしゃにしている。
啓介め…まだまだガキだな。
なまえにはオレのような大人の男がいいんだ。
「私帰ります。じゃあっ」
「なまえ…そこまで送っていくよ」
オレは大人の笑みを浮かべた。案の定なまえは顔を真っ赤にして俯く。
「大丈夫です。駐車場まですぐそこだし…ありがとうございます」
なまえは飛び出すように家を出ていった。

「あ〜あ、もう少しで聞けそうだったのによぉ。なまえの好きな奴」
「仕方ないさ。また機会はある。それより京一だったら絶対許さん。京一を殺してオレも死ぬ」
「(アニキなら本気でやりそうだぜ)」

これは計画だったのだ。なまえを家に呼び出し油断させて好きな男を聞くというのが。
オレも啓介も本気だからな。覚悟しとけよ、なまえ。

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炎乱様
再びキリバンを踏んでくださりありがとうございます!
遅くなりましたが、また小説を書きましたのでよろしければもらってください。
また今後ともよろしくお願いします。
こちらは炎乱様のみお持ち帰り自由です。
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